不良だらけの危険なバイトッ☆
「…離せ」
「いや!!」
ユキ君があたしの手を振りほどこうと力をこめる。
それでもしがみつく。
離さないって決めたんだもん。
「離せよ」
「嫌だ!!」
何度だって否定する。
ユキ君を一人になんてしない。
「この……っ、いい加減にしろよ!!!」
目の前で怒鳴られて、思わず涙が零れた。
怖いなんて言ったら嘘になる。
それでも、何を言われたって
離してなんかあげないもん…
「それは…あたしの台詞」
泣きながらあたしはユキ君を睨んだ。
「強がるのも…いい加減にしてよ」
怖がりで泣き虫のあたしがここまで引き下がらないことにユキ君の苛立ちが伝わってくる。
「…ちっ」
ユキ君は吐き捨てるように舌打ちをした。