不良だらけの危険なバイトッ☆

「…俺も、そろそろけりをつけなきゃな」


「え?」


「……なんでもない」


そう言ってあたしの髪を撫でる。


ユキは遠くを見ていた。


ユキ……






────・・・


「今日で400日、か」


「旦那様…いったいそれは何の日数ですか?」


豪華な書斎。


メイドが花瓶の花を整えながら問いかけた。


「ああ…」


旦那様と呼ばれた男は深いイスに腰掛け、タバコを灰皿に押し付ける。


「私の娘が家出をしてからの日数だよ」


「ま、まぁ。それで、娘さんは今どこに」


「狼の檻の中さ」


「それはひどい」


メイドは手のひらで口元を覆った。


「まあ、それももうすぐ終わりなんだけどな」


「え…それはっ?」

< 370 / 527 >

この作品をシェア

pagetop