不良だらけの危険なバイトッ☆


ユキが一人で待ってるのに…


それでも今すぐあの場所に行かなくちゃならない気がする。


ユキのこと


裏切れるわけなんてないのに。


「莉子ちゃん」


立ち上がろうとしたあたしに向かって、藤堂君が携帯を差し出した。


「……これは」


「…ユキを病院に運ぶ途中でポケットから落ちちゃったみたいで」


「……」


あたしに手渡された黒の携帯電話。


それは、ユキのものだった。


「ごめん、見るつもりはなかったけど…開いたらその画面があって」


ボタンを押すとメールの画面が現れた。


作成途中のもの。


送信先には、あたしの名前。


時間は午後5時。


屋上に行く前に打っていたもののようだ。

< 452 / 527 >

この作品をシェア

pagetop