不良だらけの危険なバイトッ☆

「それじゃ」


「おやすみなさいっ…えと…せ…ユキ…くん」


なんかもう…恥ずかしいっ。


しどろもどろのあたしの返答にクスッと微笑する吐息が聞こえた。


「おやすみ、莉子」


そしてガチャンとドアが閉まって、部屋は再び静寂の時を刻みだした。




莉子って…

呼び捨てされちゃった。


ユキ君にとっては何気ないことだったかもしれないけど。


あたしにとっては…。


胸の奥がきゅんと何か不思議な感覚に包まれる。


さっきの切なそうな笑顔と今の穏やかな微笑みが頭から離れない。


ユキ君…


ほんと、掴めない人。



俺様で意地悪な隼人

明るくて人懐っこい藤堂君

大人っぽくてフェミニストな服部さん

クールで何考えているかわからないユキ君…


4人の男の子達との共同生活の始まり。



考えることが多すぎて結局あたしは眠ることができなかった。

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