科学がくれた春
不思議だ。私の口が開いている。
科学部のパフォーマンスを見て。

不思議だ。私が呆然している。
科学部のパフォーマンスを見て。


なんてかっこいいのだろう。
流れるように実験器具を使いこなしていく。
そしてその先にある【実験成功】という文字が顔を出している。





盛大な拍手が起こった。




私にはこれが出来るのだろうか?



私は科学部をなめていた。
自分の愚かさに気がついた。




今日ほど暗い顔をした日はない。










「乃愛、一緒に頑張ろうね!!」
険しい表情で千乃が言う。

「うん。」
そう返事はしたけれど、自信はない。


顧問が言う。
「これらの実験は、練習を重ねたから出来たものです。
皆さんも出来るようになりますのでご安心下さい。」




見学に来た新入生全員がホッとした顔つきを見せた。



私も、こんな風に出来るようになるのか。





そう思うと、顔がほころんだ。



その日の夜は、明日への期待と一緒に眠りについた。
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