紺碧の海 金色の砂漠
そう言うと琥珀色の瞳を煌かせ、舞の身体にキスの雨を降らせる。甘く熱い蕩けるようなキスの連続攻撃は、舞から考える力を奪っていく。


(信じていいの? でも、ダーウードが……)


「人生には努力や知識では動かせぬ“運命”があるのだ。私がお前にそれを教えてやろう」


ミシュアル国王は極上の笑みを浮かべつつ、舞の……とても言葉にできない場所に口づけた。嬲るようにゆっくりと、生温かい舌先が何度もその場所を往復する。


「や……ん、アルの意地悪……もう、だめぇ」

「駄目ではなかろう? お前の欲しいものはなんだ?」


スルリと、舞の身体に太く長い指を押し込みながら、平然とそんな言葉を口にする。指先で弄ぶテクニックも日々進歩している感じだ。

舞の身体に変化が現れると、たちまち動きを変えてしまう。巧みに焦らされ、ベッドの上で教えられたアラビア語を口走ってしまうくらいに……。


『陛下……お願いでございます。陛下の剣で、わたくしを貫いて下さいませ』


ミシュアル国王は自分の愛撫に舞がメロメロになるのが楽しいらしい。

満足気に微笑みながら『よかろう』と呟き、破壊力抜群のジャンビーアで舞を攻め始める。

ベッドの上に日本語とアラビア語の「愛してる」が飛び交い、舞が「もう許して」と言うくらい“妻の悦び”知ったころ、ミシュアル国王も“妻を持つ悦び”に打ち震えるのだった。


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