紺碧の海 金色の砂漠
突然、クアルンに連れて行かれたとき、心細かったのを覚えている。
でも、舞にはいつでもミシュアル国王が傍にいてくれた。仕事とはいえターヒルと引き離され、シャムスは頼りない気持ちでいると思う。
そんなとき、シャムスがくすっと笑う。
やっと笑顔が見れて舞はホッとしつつ……。
「まあ、アーイシャ様、不思議なことでもなんでもありませんわ。私、ターヒルさまに伺ったことがあります」
「え? なにを?」
「陛下がお命じになられたとか。アーイシャ様の通う学校はほとんど女性教師にするように、と。独身男性など論外、退職間際で私生活に問題のない男性教師のみ許可されたそうですよ」
「なっ!?」
舞は息が止まった。
まさか、そこまでやっていたとは……。
どうやら、相当な寄付をしていたらしい。道理で、恒例の臨海学校が舞の学年だけ林間学校やらキャンプ体験・スキー合宿に変更されたはずである。
しかも、舞には必ず教師の目が光っていた。少し羽目を外そうにも、ピッタリ張り付かれて逃げられなかった記憶がある。修学旅行でも宿泊先で他校の生徒を見かけることは全くなく、見学先で声を掛けてくる男子生徒は片っ端から追い払われていた。
それもこれも全部ミシュアル国王の――手配したのはおそらくお父上であろうが――命令と知ると、開いた口が塞がらない。
(アルってば、やり過ぎ!)
でも、舞にはいつでもミシュアル国王が傍にいてくれた。仕事とはいえターヒルと引き離され、シャムスは頼りない気持ちでいると思う。
そんなとき、シャムスがくすっと笑う。
やっと笑顔が見れて舞はホッとしつつ……。
「まあ、アーイシャ様、不思議なことでもなんでもありませんわ。私、ターヒルさまに伺ったことがあります」
「え? なにを?」
「陛下がお命じになられたとか。アーイシャ様の通う学校はほとんど女性教師にするように、と。独身男性など論外、退職間際で私生活に問題のない男性教師のみ許可されたそうですよ」
「なっ!?」
舞は息が止まった。
まさか、そこまでやっていたとは……。
どうやら、相当な寄付をしていたらしい。道理で、恒例の臨海学校が舞の学年だけ林間学校やらキャンプ体験・スキー合宿に変更されたはずである。
しかも、舞には必ず教師の目が光っていた。少し羽目を外そうにも、ピッタリ張り付かれて逃げられなかった記憶がある。修学旅行でも宿泊先で他校の生徒を見かけることは全くなく、見学先で声を掛けてくる男子生徒は片っ端から追い払われていた。
それもこれも全部ミシュアル国王の――手配したのはおそらくお父上であろうが――命令と知ると、開いた口が塞がらない。
(アルってば、やり過ぎ!)