紺碧の海 金色の砂漠

(17)解決策は結婚

(17)解決策は結婚



「書簡に書かれてあったことはふたつ。なんとしてもこの国に入り、ヤイーシュと協力して正妃殿下を守るように。そして、レイ国王陛下にお預けした品物を受け取り、クアルン王国の慣例に従え、と」


笹原が淡々と話した内容は、舞にとって『ミシュアル国王の死亡報道』より衝撃を与えた。

まず、ミシュアル国王がレイ国王に預けた品物というのが“王太子の剣”。ハーリファ王家に代々伝わり、次の王に選ばれた者のみ手にすることができる。

舞はこのとき、心臓をギュッと掴まれた気がした。


(弟に王位を譲るってこと? それって……アルは最初から危険を承知で帰国したわけ?)


でも、笹原が続けた言葉は、舞の想像を二~三段飛び越えた内容だった。


「誓って言うが、私は“王太子の剣”を受け取るつもりはない。これは、彼の息子に引き継ぐためだ」

「は? 息子って」

「あなたの中に宿っているかも知れない男子に決まっている」

「宿っているかも……って、そんなのわかんないわよっ!」


舞は一瞬で真っ赤になる。


可能性を考えたらゼロという時期じゃない。

でも、遅れている、というわけでもない。自覚も症状もまったくないのに、妊娠を期待されてもハッキリ言って困る。


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