紺碧の海 金色の砂漠
クアルンで何が起こったのか。なんで国王死亡なんてニュースが流れたのか。でもって、笹原はどうなったのか。
舞のアラビア語のヒアリングが間違ってなければ、ダーウードの言った言葉――。
『ミシュアル国王のせいで婚約者を失いながら』
アレにどんな意味があるのか。聞きたいことは山のようにある。
どう考えてものん気にエッチなことをしている場合じゃない、と思うのだが……。
「私はお前に会うため、お前を抱くために戻ってきた。舞、お前を正妃の座から引きずり下ろそうとする者は、力づくで排除する」
薄闇の中、琥珀色の瞳が煌いた。
「舞……私が欲しいと言え。お前の中に私を受け入れてくれ。この行為こそが命の証なのだから……」
そんなミシュアル国王の願いに、『イヤ(ラー)』なんて言えるはずがない。
「アル、きて……お願い。生きてるって教えて。本当に、生きて帰ってきたんだって」
「――もちろんだ」
腰を重ねると、鋭いジャンビーアが舞の躯《からだ》を貫いた。
喉の奥から、堪えきれない声がこぼれる。それをミシュアル国王の唇にふさがれ、舞は必死で抱きついた。
互いの胸が触れ合い、鼓動が伝わる。舞は嬉しくて、それだけで涙がこみ上げてしまう。
そしてそれは、ミシュアル国王も同じようで……。
舞をギュッと抱きしめながら、震えるような声で彼女の名を何度も何度もつぶやき。ふたりは夜が明けるまで、互いの命を確認しあったのだった。
舞のアラビア語のヒアリングが間違ってなければ、ダーウードの言った言葉――。
『ミシュアル国王のせいで婚約者を失いながら』
アレにどんな意味があるのか。聞きたいことは山のようにある。
どう考えてものん気にエッチなことをしている場合じゃない、と思うのだが……。
「私はお前に会うため、お前を抱くために戻ってきた。舞、お前を正妃の座から引きずり下ろそうとする者は、力づくで排除する」
薄闇の中、琥珀色の瞳が煌いた。
「舞……私が欲しいと言え。お前の中に私を受け入れてくれ。この行為こそが命の証なのだから……」
そんなミシュアル国王の願いに、『イヤ(ラー)』なんて言えるはずがない。
「アル、きて……お願い。生きてるって教えて。本当に、生きて帰ってきたんだって」
「――もちろんだ」
腰を重ねると、鋭いジャンビーアが舞の躯《からだ》を貫いた。
喉の奥から、堪えきれない声がこぼれる。それをミシュアル国王の唇にふさがれ、舞は必死で抱きついた。
互いの胸が触れ合い、鼓動が伝わる。舞は嬉しくて、それだけで涙がこみ上げてしまう。
そしてそれは、ミシュアル国王も同じようで……。
舞をギュッと抱きしめながら、震えるような声で彼女の名を何度も何度もつぶやき。ふたりは夜が明けるまで、互いの命を確認しあったのだった。