紺碧の海 金色の砂漠
「あ……それと、これだけは忘れないで。もし、アルに何かあっても、絶対にあの笹原さんとは再婚しないからねっ!」

「ディルが気に入らなかったのか? しかし、シドでは」

「そうじゃなくて。わたしは……アル以外のお嫁さんにはならないって言ってるの! だから、お爺さんとお婆さんになるまで、死んじゃダメよ」


ミシュアル国王はまんざらでもない笑顔を見せ、


「よかろう。そのためには、早めに王子を作る必要があるな……」


なんて思わせぶりな視線を送ってくる。


舞は大慌てで、


「ダ、ダメだってば。第一、まだ三十分も経ってないし」

「クアルンまで待てというのだろう? わかっておる」

「……専用機の中だったら……」


舞の妥協案にミシュアル国王の顔がパッと輝いた。
 

(なんか……夫人が四人て……別の意味があるんじゃ)


とんでもない想像にちょっとばかり青くなる舞であった。
 

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