紺碧の海 金色の砂漠
「思い出したぞ、舞! 私の眼前で二十一秒も、レイの手を握っておったな」

「あ……ほら、アレって多分イルカだよ。だって海面を跳ねてるもん。サメじゃないよね? サメって跳ねたっけ?」


適当にごまかそうと思ったけれど、ダメらしい。

ミシュアル国王は舞の顔を覗き込み、


「おとなしくベッドに行くか。それとも、人払いをして……私はここでもかまわぬぞ」


キラキラと瞳を輝かせる。


「だって……クアルンまでオアズケって約束は?」

「お前の腰は充分に復活しているようだぞ。試してみてもよかろう?」
 

ゆっくりとミシュアル国王の唇が近づき、ハネムーンは幸福に包まれ、幕を閉じた。




そして遠い未来……


ふたりの国王の誓いは果たされる。


――神の望まれるままに(インシャー・アッラー)――

 


                          ~fin~


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