紺碧の海 金色の砂漠
(それはちょっと可哀想かも……)


何と言っても、舞のお尻の下でジャンビーアがウズウズしているのがわかる。


「昼間みたいなのはイヤ。ゆっくりキスもできなかったし、終わったあと、すぐにひとりにされるのって悲しい。なんだか……愛人になった気がした」


舞は気を取り直して、少し拗ねたような甘えた声を出した。


「私はお前に痛い思いをさせたか?」

「痛くはなかったけど、ちょっと怖かった」

「……済まぬ」


ミシュアル国王は謝罪と共に、舞をギュッと抱き締めた。
 

(こんなに素直になられたら……もう怒れないじゃない) 


舞は後ろを振り返り、彼の唇にキスした。

アラビアコーヒーの強い香りがしたけど、それほど嫌じゃない。


「ねぇアル、国賓室のベッドって、もの凄く広くて気持ちいいのよ。試してみたくない?」


舞はできる限り色っぽく笑って見せた。

それが魅惑的な微笑みかどうかはともかく、ミシュアル国王には効果テキメンだったらしい。


「もちろんだ! 早速試そう!」


そう言うと舞を抱きかかえ、ベッドルームに直行したのだった。


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