紺碧の海 金色の砂漠
~*~*~*~*~
「ねぇマイ……あなたまで出て来なくても……」
さっきから何度となくティナが口にしている言葉だ。
しかし、動揺しながらも「私は大丈夫だから、一人になりたいだけだから」そう言って宮殿から出て行こうとした。
そんな彼女を、舞は黙って見送ることが出来ず……。
アバヤを脱ぎ捨て、女官の私服を借り、舞は一見すると“日系アズウォルド人”に早変わりである。
そして、ちょうどその女官が乗っていた日本製の軽四自動車まで借りた。
二人の王妃に詰め寄られては、女官も逆らえないだろう。
それに――『無断で借用します。女官のせいじゃありません。舞』と、日本語で書き置きも残してきた。
(アルってば、あの女官を罰したりしないよね……それだけがすっごく不安)
「マイ、ミシュアル陛下が心配すると思います。やはり、引き返しましょう」
舞のことを気にして、ティナは戻ろうとまで言い始める。
「ティナはそれでいいの? もし、本当にレイ陛下の子供だったら……」
「その時は私はこの国を出るわ。離婚の手続きだって、レイがその気になれば出来るはずよ。彼は……庶子は作らないと言っていたから……きっと」
そう言うとまた涙をこぼし始める。
あの放送を見た時、「まっさかぁ~そんなことありませんよね~」と舞は必死で笑った。隣に座るティナが見る見る蒼白になっていったからだ。
「ねぇマイ……あなたまで出て来なくても……」
さっきから何度となくティナが口にしている言葉だ。
しかし、動揺しながらも「私は大丈夫だから、一人になりたいだけだから」そう言って宮殿から出て行こうとした。
そんな彼女を、舞は黙って見送ることが出来ず……。
アバヤを脱ぎ捨て、女官の私服を借り、舞は一見すると“日系アズウォルド人”に早変わりである。
そして、ちょうどその女官が乗っていた日本製の軽四自動車まで借りた。
二人の王妃に詰め寄られては、女官も逆らえないだろう。
それに――『無断で借用します。女官のせいじゃありません。舞』と、日本語で書き置きも残してきた。
(アルってば、あの女官を罰したりしないよね……それだけがすっごく不安)
「マイ、ミシュアル陛下が心配すると思います。やはり、引き返しましょう」
舞のことを気にして、ティナは戻ろうとまで言い始める。
「ティナはそれでいいの? もし、本当にレイ陛下の子供だったら……」
「その時は私はこの国を出るわ。離婚の手続きだって、レイがその気になれば出来るはずよ。彼は……庶子は作らないと言っていたから……きっと」
そう言うとまた涙をこぼし始める。
あの放送を見た時、「まっさかぁ~そんなことありませんよね~」と舞は必死で笑った。隣に座るティナが見る見る蒼白になっていったからだ。