か・せ・こ・く・い
彼がいない間に色んなことがあった。
引っ越して家が代ったり、友達も変わった。
また逢えたら伝えたい。
もう一度抱きしめてって。
最近流行ってる遠距離恋愛の曲知ってる?
あれ聴いてると涙が出てくる。
まぁ彼は私のこと好きじゃないだろうけど…。
彼は新しい彼女でも出来たのかなぁ?
私は彼の存在が大きすぎて忘れられない。
なんでだろうね…。
初恋って叶わないって本当なんだね…。
「い!!ーい!!おーい!!」
「へぇ?」
私は声がする方に視線を向ける。
でも誰も私を呼んでなかった。
「こっちだよ」
誰かに叩かれた。
「えっ?」
そこには学年一モテると噂の豊くんがいた。
「豊…くん?」
「おぉ!!俺の名前知ってんの!?」
「まぁ…」
「なんでテンション低いの?」
なんで豊くんが私なんかに話しかけるの?
周りの視線が怖い。
「いやぁ…なんでもない」
「そう。ここじゃ話になんねぇから屋上行かない?」
「えっ!?」
私はYESとも言ってない。
それなのに豊くんは私の腕を握り、屋上に向かった。
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