雨が見ていた~Painful love~


帝体大の最寄駅に着くと、空は深い紺色に色を変えてしまっていた。姿をなくした太陽の代わりに、冷たい北風が私の体に刺すように突き刺さる。



「う~、さむっ!!」



コートの前をしっかり締めて、バックの中の手袋をはめると、私は帝体大のキャンパスを目指して歩き始めた。





大きなバックを抱えた男の子に、よく日に焼けて健康的な笑顔を見せる女の子。行きかう男女はみんなカラッとした明るさに包まれていて、見ていてとても心地いい。



キョウちゃんも拓真くんも、スポーツしてる人って性格がサバッとしてて白黒はっきりしてる人が多いよね……。



そんなことを思いながらテクテク歩いていると、見慣れた建物が目の前に現れた。




――よし…!!




ここに来るのはあのプール投げ捨て事件以来だけれど!
キョウちゃんには“連絡してくるな”ってきつくきつく言われているけれど!!




この際…仕方ないよね!?
コレは非常事態なんだからっ!!





ムンッとおなかに力を入れて、
私は帝体大の校門をズズイとくぐる。




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