雨が見ていた~Painful love~

∞ 無限大の純粋な感情


そんな決意を胸にしながら自宅の玄関の扉を開けると


「…え??スニーカーが…ない…!!?」


そこにあるべきはずのモノ
キョウちゃんの履いていたスニーカーが消えている。



――え!!?なんで、なんで!!?



我が家に軟禁状態で外に出ていくことは許されていないハズのキョウちゃん。




あるべきハズのものがソコになく
パニック状態になりながらリビングに入ると


「あら~。おかえり、み~ちゃん。」


いつも能天気なママがニコニコ笑いながら夕食の準備をしている最中だった。




「きょ、キョウちゃんは!!?」


辺りを見回してもヤツがいる形跡はどこにもない。



ワタワタしながらママに尋ねると


「あ、きょーちゃん??
きょーちゃんなら、外行ってくるって言って出かけたわよ~?」


私の焦りを察しもせずに
どこまでも鈍感な母親はこんな言葉を私にぶつける。




――こ、このマイペースオンナめ!!




自分以上に鈍感でマイペースな母親にイライラしながら


「ちょっと!外の騒ぎ知ってるでしょー!!?
こんな状態でキョウちゃんがマスコミに見つかったら大変なことになるのよ!!?」


危機管理のなってないママを怒ると


「大丈夫よ~~。
ちゃーんと変装していったから。」


ママは何食わぬ顔して、ニッコリとほほ笑み始める。


< 400 / 545 >

この作品をシェア

pagetop