雨が見ていた~Painful love~
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代官山を後にして、中目黒の自宅に戻る。


代官山から中目黒までは電車でたった数分なのに、今はその時間さえもがもどかしい。



キョウちゃんに会ってどうするのか、どうなるのか、どうしたいのか、なんて考えたってわからない。



だって彼は幼なじみだから。
彼は私の中の愛しい悪魔に違いないから。



でも……
電車の窓から流れゆく景色を見ながら、私はずっと考えていた。



どんな形になったにしろ、もう逃げるのは止めにするんだ。
キョウちゃんと幼なじみに戻れなかったとしても…もういいや。堂々巡りはやめにする。




崩れたなら直せばいい
壊れてしまったなら、もう一度作ればいい



私とキョウちゃんが再会した時の様に
新しい関係を二人で作っていけばいい――……





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