雨が見ていた~Painful love~



好き…なんだ、私。

私はキョウちゃんが好きなんだ。




やっと気づいた自分の気持ち。




水の中で大きく伸びる、キョウちゃんの大きな背中を見ていると、たまらない気持に駆られて


「ど、同情なんかじゃないもん!!!!
キョウちゃんのばかぁっ!!」


大きな声でそう叫ぶ。




その声が聞こえたのかキョウちゃんは泳ぎを止めて


「…は??」


その場に立ち上がり、明らかに不機嫌な顔で私を睨む。




その見慣れたイラつき顔を見ながら



「ど、同情でこんなことできると思ったら大間違いなんだからねーーーっ!!?」



そう叫んでコートとマフラーを脱ぎ捨てると
私は私服のまんま、プールに思いっきりドボンと飛び込む。




「ば、ばかっ!!」




温かいとはいえ、少し肌寒い水の中
足にまとわりつくスカートに
水を吸って鎧のように重くなるニット




――や、やばい…

このままじゃ真剣に溺れるかも…っ!!!





スタート台付近ということもあって少し深めのそのポイントから、なかなか浮上できずにドンドン下に沈んでいると


目の前からぐんぐん近づいてくる人影が見えてきて、水の中に沈んでいた私の体をヒョイッと軽く抱き上げる。




「げほっ、げほっ!!」



少し水を飲んでしまってむせる私を見て


「お前はバカか!!!
なんでそこで飛び込むんだよ!!!!!」


キョウちゃんはお姫様抱っこをしながら、凄い形相で私を叱る。





「だ、だって…
こうでもしないとキョウちゃん私の話をなんて聞いてくれないじゃない!!」



「……は??」


「同情なんかじゃない…!!
同情なんかじゃないんだもん…!!!!!」




そう言った瞬間
私はキョウちゃんの首に手を回して
ギュッと彼を抱きしめる。


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