雨が見ていた~Painful love~


天使と悪魔
俺のココロの中で相反するものがケンカする。



渡航準備をしなきゃなんねーこともわかってる。


パスポートにビザ
一連の水泳グッズに電子辞書
変圧器だって準備しなきゃなんねーし、多少の日本食も持っていきたい。



意外に海外渡航の準備って大変だからな…
今すぐやらなきゃいけないことはわかってる。



だけど……
俺の本能と俺の息子は『諦めるな!』と告げている。




とりあえず、ヤッてから準備すりゃいいんじゃね??
やっとここまでこぎつけたんだぞ!?
次は何か月先になるかわかんねーんだぞ!?



よ、よし……。




その決意を胸にした俺は


「美織……今すぐヤるぞ。」


「え、えぇ!!?」


「大丈夫!!大丈夫!!
ココまで来たら後は入れるだけだから!!30分もありゃ全部済むから!!」


必死にそう訴えて、美織に着せたTシャツをたくし上げようとすると



「だ、だめっ!!
何すんのよ、バカーーっ!!!」



「い、いてーっ!!!」



美織に頭をパシンと叩かれて、一気に玉砕。




そして鉄のパンツを再び身に着けた美織に促されるまま、俺は泣く泣く渡航準備をして。着替えてバックン中にパスポートとビザと財布を入れて、なんやかんやしてたら時間はもう夜中の2時。



出発までは、あと30分!!



よ、よし!!
30分もありゃサッとできるよなっ!!



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