繋いだ手を離すな。

タイトル未編集

ホットココアと君

｢南さん、入ってきていいわよー｣


高校1年の冬、
転校生がくるにはちょっと季節外れなこの時期に私は私立桜華高校に転校してきた

教室に入って、俯く。
ちょっと目線を上げて周りを見る


｢南さん、自己紹介してね｣


｢はい。南千春です。
よ、よろしくお願いします｣

｢はーい!!質問!!
千春ちゃん、超かわいいけどー
彼氏いるのー？？｣

定番の質問。

私は真っ直ぐ前を見て
聞かれたことにだけ答えた

｢南さんは一番後ろのあの席に座ってもらえる？｣

私は必然的に一番後ろの、しかも窓際の席に座ることになる
定番の席。
マンガとかでは学校一のイケメンとかいわれる人と隣になったりして、
恋が始まったりするんだっけ。

そんなロマンチックなことが
本当にあるのかな。

残念ながら、いや、全然残念なんかじゃ
ないけど、
私の席の隣にはイケメンなんて愚か、
人さえいなかった。

｢千春ちゃん…だっけ??｣

話しかけてきたのは前の席の女の子
だった