繋いだ手を離すな。
「あ、うん。そうだよ」
「あたし、早水日向(ハヤミヒナタ) 。よろしく!!」
「よろしくね。あ、一時間目ってなに?
全然授業把握してなくて…」
「生物…かな!移動するからね!」
日向ちゃんは笑顔を残して前を向いた
この学校に慣れるまでどれくらいかかるんだろ…
前の学校だって、やっと慣れたって時に
こんなことになって。
どうせ今回だってすぐ引っ越すんだ。
それなら、頑張って慣れようとしたり、
友達を作ったりする必要もないよね。
私なそんな冷めた感情しかなかった。
「千春っ♪」
突然、しかも、呼び捨てで呼ばれて、
咄嗟に反応できなかった
「日向ちゃん」
「千春って呼んでもいい?あたしのことも日向でいいからさ!!」
「わかった。じゃあ日向で」
この、遠慮のない感じ、好きだな。
顔色を伺って、変に気を使われるよりも
日向みたいは直球な方がいい
「移動しよっか!」
「そだね」
日向はよく見ると、ってこともないけど
普通に美人だ。
かわいいとは違う、美人。
染めてるんだろうけど、金髪美人。
日向って名前がよく似合う
太陽みたいな笑顔を持ってる