愛を叫んで地に堕ちて〈全イラスト41枚つき恋愛ホラー〉
そのとき。
がたん、という音がしたのに気がついて、勇斗は瞑っていた目を少し開けた。
その目に、凪が部屋を出て行く姿を見つけて、勇斗は、心の中でほくそ笑んだ。
凪が、真珠の事を好きだと、勇斗は気がついていたから。
凪は少し前まで。
赤い髪のウィッグをつけて劇の練習をしていた、亜里沙の事が好きみたいで。
合宿に入る寸前まで、彼女に情熱的にアプローチしていたみたいだったのに。

振られてしまったのだろうか?
それから三、四日経った今では、なんとなくお互いに避けあってるみたいだ。
そんな風に、簡単に亜里沙を諦め。
自分の大事な真珠に近づいて来た所が、勇斗には、気に喰わなかった。
今回の『口づけ』も、凪に自分と真珠のラブラブっぷりを見せつけるのが、目的だったのだ。