愛を叫んで地に堕ちて〈全イラスト41枚つき恋愛ホラー〉
「何を莫迦な事を言っているんだ」

 腰を抜かさんばかりに驚いている茂吉に対して、そう。

 晶左の声は莫迦にしたように笑っていたけれども。

 一連の映像を『記憶』として見ていた勇斗は、いつの間にか開いていた別の木箱の中身の一つを見て、息をのんだ。

 新しい別の人魚だ。





 やっぱり、首だけのこの人魚のことを。

 現在ここに居る……勇斗が。

 『草薙 勇斗』は、この人魚の事を知っていた。

 それは、まるで、自分の顔を見ているみたいに!!

 その突きつけられた現実に、めまいを起こして倒れ込みそうになったのは、茂吉か。

 それとも、勇斗か。

 勇斗は、ただ、別荘の裏庭にぺたん、と尻もちをついただけで済んだ。

 けれども。

 記憶の中の茂吉は、最後の木箱に足を取られ、ひっくり返してしまった。

 その中身を見て、晶左の声が叫ぶ。

「見つけた! この人魚だ!」
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