Liars' clovers
「……やっぱり、ぼくが嘘をついたのはわかってたんだね」

 エミルは申し訳なさそうにうつむいた。

 二つの碧は震えるまぶたでほとんど覆われている。


「騙されたフリなんてしてごめんなさい……。でもうれしかったのは本当よ。感謝もしてる」

「……うん」

 エミルが言っていることは真実だろうと思った。

 彼女の顔は嘘をつけない。

 ぼくの心が少しずつ軽くなっていく。



「そういえば、虹やカエルのことも演技だったの?」

 興味本位でそう問うと、彼女は赤面し、口をとがらせた。

「うちには花の図鑑はあっても、虹やカエルの図鑑は置いてないのよ……」

 ぼくは声をだして笑った。

 恥ずかしがるエミルが可愛かったのもあるし、嘘がバレることに怯えていた自分が急に滑稽に思えてきたのもあった。


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