Liars' clovers
 ぼくが頷けば、独りじゃない分未知への不安も少なくなる。

 そうでなかった場合は、いつもと変わらない一日を過ごすだけ。

「──とてもリスクの少ない賭けだったわ」

 そしてエミルは賭けに勝った。
 ぼくに手を引かれたそのときはまだ、四つ葉を見つけて、健康な体を願うことも目的のひとつだったらしい。

「探してる途中で気づいたの。四つ葉なんてなくても、森まで来られたってことに。わたしはもう健康なんだ、って」

 エミルは肩をすくめて苦笑した。

「わたしに四つ葉は必要なくなったけれど、あなたが四つ葉を見つけたと言ってくれたときはすごくうれしかった。わたしのためにそう言ってくれたんでしょう?」


< 32 / 34 >

この作品をシェア

pagetop