ナツメ
第2章
朝。
ナツメが部屋の鍵を開けてくれる音で、わたしの一日は始まる。

かちゃ。

その音がすると、わたしはベッドの上で、ただ呆けたようにドアが開いてナツメの顔が見えるのを待った。

「おはよう」

いつもはパジャマ姿のナツメが、今朝は違っていた。

真っ白いシャツにジーンズ。
ジーンズは少しだらしなくさがっている。
腰履きってやつだ。

「…どこかでかけるの?」

挨拶も忘れてナツメを見つめた。
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