うさぎさんが好きないちごみるく
全校集会で生徒会から文化祭についての話を聞いてから数日後。
―――つまり、りゅうにいちご先輩と悠哉先輩の疑惑を聞いてから数日後。
僕は、誰の目から見ても明らかに元気を無くしていた。
それはもう、自分でもわかるくらい盛大に、だ。
りゅうなんかは、責任も感じているらしく、僕の周りをちょろちょろして励まそうとしてくれたんだけど、やっぱり噂になるほど2人の仲は怪しいのかと思ったら………
落ち込むのも無理はない話だった…。
「なぁなぁ、うさっ!
テスト終わったら遊びに行こうな!?カラオケとかさっ!久しぶりに遠出してもいいよな!
なー…うさ…?」
そう。今はテスト期間という事で部活は全面停止中であり、いちご先輩に会えていないのだ。
それも僕を気落ちさせる原因の一つかもしれなかった。
「……僕はいいけどさ。まずはりゅうのテストだよね。赤点取ったらカラオケどころじゃないし。」
「あー…………ですよね………」
りゅうはいつも赤点ぎりぎりで、この間の期末は数学はだめだった。
だから実は僕の心配をしている場合ではないのだ。
「………りゅう。」
「ん?」
「それ、間違ってる。」
僕は、先程終わったテストのりゅうの問題用紙に書かれている答えを指してりゅうに言った。
「え!?なんで!?俺この分野しか自信なかったんですけど!」
「…てか聞かれてる事違うから。質問に答えてないよ。」
「なんでっ!?
………まじかー……」
「りゅう。」
「……なんだよぅ。また間違ってんのかよぅ。」
「……ぁりがと」
「…!……あーあー、おー……いいんだよ、いいんだよ。うさに感謝されるなら………照れるじゃんかよぅっ」
落ち込む僕を不器用に励ましてくれたりゅうに、たまにはと思い感謝の気持ちを伝えた。………するとりゅうは動揺で意味わかんないことになった。なぜだ。
「…りゅう。」
「今度はなんだい?愛してるって?ありがとよ、うさ!」
「…それ含めて間違えてるよ、ここ」
「やべー……」