あやふや
出産の経験のない私の言葉に、
「そんなんじゃ私退屈で死んじゃうじゃない。
体動かした方がお腹の子供の為にもいいんだから」
その日から千絵は、本当に家事を全部引き受けてくれた。
仕事から帰ってくると整理整頓された部屋。
テーブルの上には栄養を考えた食事が用意されている。
こんなふうに千絵と一緒に生活していると気づかされる。
料理も掃除も洗濯も完璧な千絵に佳祐はどこに不満があったのだろう?
男の気持ちがちっとも解らなくなった。