本気の恋の始め方
うつむくと、彼はそんな私の瞳をのぞき込むように顔を近づけてくる。
「いろんな表情、これからは俺が独占だからね。俺にしか、見せないでね……」
そして、そっと頬を傾ける千野君。
私も無意識に、目を伏せると――
吸い寄せられるように唇が重なった。
優しく下唇をかまれて、それからちゅっ、と唇の上で音が鳴る。
「ん……」
些細な刺激に、首筋がぞくぞくする。
気持ちいい……溶けちゃいそう。
唇を開けると、そのまま彼の舌が滑り込んでくる。
まだ上手にキスできない私をリードするように、滑らかに動き、絡み合う。
「潤さん……好きだよ」
何度も、何度も、コーヒーが冷めてしまうまで、唇を重ねた後
千野君は熱っぽくささやいて、そのままぎゅっと私を抱きしめた――。