本気の恋の始め方
「潤……」
るうくんはじっと私を見つめる。
「ん?」
「おまえ、今幸せか?」
その優しい眼差しに、私は素直にうなずいていた。
「うん。ゆっくりだけど……幸せな気持ち、久しぶりに感じてる」
「――そっか。だったらいいんだ」
るうくんはにっこり笑って、それからもう一方の手で私の頭の上をぽんぽんと叩く。
昔、よくしてくれてたみたいに。
胸の奥がじわっとあたたかくなった。
るうくんは「私だとわかった上で抱いた」と言った。
その言葉の意味を、もっと知りたいと思ったけれど……
同時に、今はもう、聞かない方がいいんだとも思った。