本気の恋の始め方

「汚かったよ、私。山猿みたいに」



だけどそういう自分が嫌いじゃ――。



「そういう自分が嫌いじゃなかったろ。お前お父さん大好きっこだったし、運動神経もずば抜けてよかったんだから」



るうくんは昔を懐かしむように微笑んで、コップのお水を一気に煽る。



「どうぞ」

「さんきゅ」



向かい合ってコーヒーを飲む私たち。



なんだか平和だな。

本当に私、何のために帰ってきたのか……


ふと、千早のことを思い出して胸がしめつけられる。



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