本気の恋の始め方
そして千早は、私に対しても、言いたいことをバンバン口にしつつ、同時に私にも意見を言わせるようになった。
「潤さんはどう思う?」とか。
だから私も、きちんと思うことを口にするようになったんだ。
自分が思うことを口にして、いやなときはいやだって言う。
こんなことを言って嫌われたらどうしようって、やっぱり最初のころは緊張したけど。
千早はそんなことで私を嫌ったりしないって、少しずつ思えるようになった。
「――潤さん、なに飲む? 俺と同じアイスコーヒー?」
「ううん、今はレモンティーの気分。もちろんホットで」
「10分で飲める? あっついよ」
「私、千早みたいな猫舌じゃないもん。おぼっちゃまとは出来が違うの」
「はいはい、どうせ猫舌ですよ。フーフーしないと飲めませんよ。甘やかされて育ったんでー」