本気の恋の始め方
「――ヤバい、潤さん……」
頭上からかすれた声がした。
「ヤバいって……そんなに?」
観念した私。
おそるおそる顔を上げると、なんだかすっごい微妙な表情をした千早と目があった。
彼は鍛えられた裸の上半身にグレーのパーカーを羽織り、下は水着だ。
もりあがった腹筋も、胸筋も、肩のラインも、とにかく何もかもが完璧で、美しい。
若くてきれいな男を絵に描いたような眩しさだった。
それにひきかえ私ったら……
ああもうどうしよう。
帰りたくなっちゃった……。
「なんなの、それ。エロすぎだから……」