【超短編】わたしの大嫌いなお兄ちゃん
わたしのお兄ちゃんを紹介します
わたしには高校生になるお兄ちゃんがいます。


全国模試で上位に入ったり
サッカーで世代別代表に選ばれたり
モデル雑誌にスカウトされたりと
世間一般でみたら超優秀で誰もが羨む才色兼備のお兄ちゃんです。


いっつも女の子に囲まれてわーきゃー騒がれていい気になっています。

でもわたしにはみんながどうしてそんなに騒ぐのかわかりません。



だってだって



うちのお兄ちゃん全然優しくないんです!!




わたしはいっつもいじめられています。



この前はわたしの楽しみにとって置いたハーゲンダッツを勝手に食べてるし
録画して置いた嵐の番組は消されてるし
口を開けばガサツだのパー子(頭がパーだから)だの悪口ばっかり。


昔、後ろに引くと走るミニカーのタイヤで髪の毛を巻き取られたことは今でもトラウマなんです。



みんな騙されてるんです。




みんなみんなわたしのことを羨ましいって。



いいお兄さんがいて自慢だねって。




違う。違う。違います!



ちょっと勉強が出来て、運動が得意で、爽やかイケメンだからって、妹に優しくないお兄ちゃんなんかお兄ちゃんじゃありません。


わたしは優しいお兄ちゃんが欲しいんです!
わたしのことをバカにするお兄ちゃんなんて大っっっっっっっっきらいなんですっ!

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