SoUnD~僕らの世界~
ブーンブーン―――ッ
そのとき、俺の左の胸ポケットでケータイが振動していることに気がついた。
そういえば電源切らずにそのままだったな。
危うく授業中に鳴って、先生にこっぴどく言われるところだった。
昼休みでよかったと、肩をなでおろし、ケータイをそっと取り出してみる。
それは一通の新着メールを知らせるものだった。
「え、未那・・・。」
「えっ、もしかしてアドレス聞いたの?」
「いや、俺からは聞いてねぇよ。未那がな。」
「そっか。で、なんてきたの?」
未那からのメールの内容は、少し抽象的なような表現で書かれていた。
『空って、こんなにも輝いてるんだなって、今実感してる。私の気持ちとは正反対だなぁ。って、私、何言ってるんだろうね。学校にいるのに、ごめんね?』
「・・・これって、どういうことだ?」
直登がその内容を飲み込めず、首をかしげる。
でも、俺と紗奈は多分、分かってる。
「悲しいんだね・・・。また、何かあったのかな。」
「・・・こんなとき、近くにいられないと何にもできねぇんだな。」
「え?え??」
「傷つけさせないって言ったのに・・・」
実際こうやって未那からメールが来たところで、簡単な問題ではないわけだ。
返信しないといけない。
でも、なんて言えばいい?
「俺、情けねぇ。あんなこと言っといて、やっぱ、なんて言ったらいいのかわかんねぇ・・・。」
「雅・・・。変に同情しても傷つけちゃうかもしれないもんね。」
「空・・・だろ。」
「直登は静かに。」