SoUnD~僕らの世界~

紗奈の言うとおりだ。


別に同情したいんじゃない。

助けたいだけなのに・・・。



「あ、俺なら、空ってきれーだよな、って送る。」

「だから、直登は黙ってて。」


「だって、あっちは今空見てんだろ?だったら自分も見て、感想言えば?」


「直登!もぉ、あんたは」
「だよな。」


「・・・え?」



そうだよな、直登。


そうだよ。



俺はケータイを一度ポケットにしまって、ある場所へ向かった。


階段を駆け上がって、そのドアを開ける。



「ハァッ、ハァッ・・・」


そこには、空があった。


青い空に、真っ白な雲があった。

鳥が飛んでいて、空高くに飛行機が飛んでいた。



「・・・きれいだな。」


キーンコーンカーンコーン―――


チャイムが鳴ったということは、昼休みが終わる五分前か。




俺はケータイを取り出し、未那に返信をする。


今、俺が思っていること。



未那は、これを読んでどう思うだろうか。




『俺も空、見てるぞ。未那の心の雨に、俺が傘をさしましょう(笑)いらないかっ』


俺、何書いてんだろ。

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