SoUnD~僕らの世界~

俺たちはさっきと同じように座り、真宏さんが買って来てくれた、たこ焼きと焼きそばを食べながら適当に話をしていた。



俺たちのこの学校のことや、未那たちの学校のことが多かった。


専門学校のいいところもたくさん聞けたし、二人が高校生時代のことも聞けた。



その分俺たちも、今の学校生活について話をした。


「あ、飲み物。適当に買ってきたんだけど好きなやつ飲んで?」


未那が紗奈と直登の目の前にさっき買ってきたジュースを並べた。



「あ、未那私がいるって言ったサイダーは?」


「なかったのよ。ごめん。」



「私はちゃんと買ってきたのにぃ。」


「ファンタで勘弁して?」



しぶしぶ真宏さんはファンタを飲んでいた。


残った二本のジュースも、紗奈と直登が一本ずつ取って、飲んでいた。



「あ、未那さんお金。」


「あぁ、いいのよ。私からのおごり。」



「え、でもそんなの悪いです!」



二人が俺と同じように未那にお金を払おうとしても、未那は絶対受け取ろうとはしなかった。



「あ、じゃぁ、今日のライブが良かったから、っていうことにしておいて?」



ニコッと笑いながら言う未那に、もう何も言えない二人は頷くしかなかった。


俺と同じ道を歩んだ二人が見えた・・・瞬間だった。




ブーン、ブーン――――っ



そのとき、ケータイのバイブ音が聞こえてきた。

それは未那のケータイだった。



「ちょっとごめんね」

< 169 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop