SEXOFFLINE~セックスオフライン~
マリアは感情が薄い。
大きな感情-それが怒りであれ、悲しみであれ-を、受け止めることが出来ない。
だが、マリアには特別なところがあった。
父譲りの極めて優れた頭脳と飛びぬけた読書量だ。
独りぼっちのマリアの興味は本に向いた。
近所に児童館や図書館があったので、一日中、本を読んで過ごすこともあった。
好奇心に任せ、文学、娯楽小説、図鑑、実用書を手当たり次第に読むうちに、同じ年齢の子供とは比較にならないほどの知識を得るに至る。
小学校も高学年の頃には、自分の置かれている境遇を頭では理解することが出来た。
つまり「私は親から愛されず、心が育っていない」と知ってしまったのだ。