青龍の鎮魂歌
家に着いて、慌てて扉を閉める。
繁華街から離れてからの帰り道の途中、何度も何度も振り返りながら来た。
どうやら、追いかけられはしなかったみたい。
安心してホッとしていると、携帯のバイブ音か鳴った。
びっくりした…
マナーモードにしてたの忘れてた。
画面を見ると、中瀬 充(なかせ みつる)の名前があった。
「…もしもし?」
『あ、俺俺。俺だけど「詐欺なら間に合ってます」
『相変わらず俺ってひでぇ扱い…』
いつもの決まり文句をお互い返すと、二人で笑った。
『あー、ところでお前今家?』
「え?そうだよ」
『ふーん、じゃあいいや。…お前今日は外出ない方がいいぞ』