私の好きだった人。
それから、少し軽い言い合い。
佑真とは、仲良くなるのに、10分も時間が掛からなかった。
「夕夏も佑真もうるさい!何がわかんないの?!」
言い合う私たちを瑞希が止めた。
「「これ!・・・はもんなし!」」
同時に漢字を指さし、同時に文句を言った私たち。
「・・・こんなのも分かんないのか。君たちは・・・これは騒〈サワ〉ぐ」
瑞希は『はぁ』とため息をつき、言って、言葉を続けた。
「佑真、夕夏は佑真よりバカだから、聞いても無駄」
「瑞希ひどいっ!!うち、佑真ほどバカじゃない!」
私は、瑞希に訴える。
「私からすればどっちもバカだから」
瑞希は素っ気なく答えると、前を向き直した。