愛ある絶望
絶望
私は先日26歳になりました。
正確に言うと3日前に26になり、顔に痣を作りました。

痣は最初青くなり、次の日には紫色になりました。
痣は目の横にできて、笑うと痛くて、今日はもう鏡を見る気にもなれません。

けど私は仕事に行かなければならないので、いつも通り7時に起きてシャワーを浴び、そしてできるだけ痣を隠す様にメイクをします。私の仕事はカフェのスタッフです。

メイクをしていると聞こえてきたのがアイツの鼾です。

彼は佐々木亮という名前で、29歳になる無職の男です。
正確に言うと、半年前に自動車販売会社をリストラされて、その後コンビニとか、警備員とかやって続かなかった無職です。

亮は今、ベッドで大きな鼾をかいています。
私の痣はその鼾の度にヒクヒクします。

なぜ殴られたのか3日経った今でもわからないし、聞けないです。
もちろん別れたいと思っているけど、なかなかうまくいきません。

無職になった男を追い出すのがこんなにも辛い事だとは知りませんでした。

玄関には空になった缶ビールが転がっています。
きっと亮は今日も家から出ないと思います。


仕事が終わる頃に連絡してきて、きっと優しく用事を言いつけるのでしょうが、今日は従わないと決めました。

きっとまた暴力を受けることになるかもですが、私にはひとつ思いついた事があるのです。


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