熱帯夜

「友達かね?」

「あ、支配人。アレ私の弟なんです。職場の子達と観に来たみたいですよ」

「懐かしいなぁ。昔を思い出すよ」

「支配人も昔から映画好きだったんですか?」

「もちろんだよ。今の時代とは少し雰囲気は違ったがな。よく学校帰りに通ったもんだ。今はDVDがあるが、当時はなかったからね。青春だねぇ」

「そうなんですかー」

「あぁ、よく連れと行ったもんだよ」

「連れって、女性ですかぁ?」

「ははは、突っ込んで来るねぇ」

「どうなんですかー」

「もちろん、女性とも行ったさ。一度だけね。」

「えっ、一回だけですか?!」

「あぁ、その最初で最後の女性が、妻だよ」

「わぁ!素敵なお話じゃないですかぁ!」

「ははは」

「あー、私も映画デートしたいです」

「一度きりの人生だ。いつでも会えるからと先延ばしにしていたら、後悔するぞー」

「そうですよね…」

「まぁ、頑張りたまえ」


支配人の言うそれは、恋愛なのか仕事なのか、それとも人生と言うスケールの大きい物なのか…


少し考えさせられちゃったな。

よし!
これからはもっと毎日を味わおう!



おはようの挨拶から おやすみまで




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