強気な女に裏あります。
テストの結果を見る前の人達は『不安だぁ!』とか叫んでたり。
見た人達は『上がった!』だの『同じだ』だの『下がった……』だの。


みんなはしゃぎすぎだよ。
まぁ、あたしはもう結果なんてわかってるし、10位以下なのは確かよね。



「おはよう、早坂さん」



肩をポンッと軽く叩かれ、振り向いたらそこに居たのは平泉君。

屋上の掃除、よろしくお願いします……と心の中で呟きながら『おはよう』と返した。


そして平泉君と話ながら教室に向かう。

だって、結果はわかってるもん。
三導児さんに負けてる。
今回は楽で緊張感のないテストだから、三導児さんが教室に来ればわかる。


あぁ……なんか幸せ!



「……あっ、雨音!」



教室に入ったと同時に甘ったるい声が後ろから聞こえた。



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