心に距離はないんだ
恋愛履歴

スノードロップ

おはょ おはょ…
雀が朝の挨拶を交わしている
日差しがカーテンの隙間から入り、僕の顔を照らす

(あぁ…いい天気だ)

起きてすぐにお風呂に入る
ゆっくりつかり、1日の予定を頭の中で転がす
これが僕の本当の目覚ましだ
濡れた髪が冷えてきたと感じたらお風呂からあがる

テレビをつけると時間のないことに気付き、慌ててパンを流し込むように食べ
急いで着慣れないスーツに着替える

そして庭にいる野良猫の源五郎にエサを与え、家を出る

(源五郎行ってくんね)

源五郎は眠そうな顔でこっちを一瞬ふり返り、すぐにエサを食べた

毎日違う顔を見せる木々たちに挨拶を交わしながら
歩いて15分

桜並木駅に到着

そぅ、3月から始めた仕事に行くためだ
もうすぐ1ヶ月が経とうとする

早く駅についた僕はホームのベンチに座り、携帯を開こうとした瞬間

!!

(くるみだ!)

慌てて目をそらす

そらす理由は特にないが、なぜだかそらしてしまう

幸い僕は花粉症でマスクをしていたせいか、くるみは気づいていない

(この時間いつもいるのかな?)

(それにしても)



(綺麗になったなぁ…)
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