心に距離はないんだ
――中学二年の桜散る季節


突然自宅に
同じクラスの田中くるみから電話がかかってきた

「もしもし昴汰(こうた)くん?さっきお母さんが出てビックリしたょ!」

「あぁ、ごめん。帰ってきてなかったわ。電話急にどうしたの?」

「いゃ、あのさ……」
と何かを言いかけて彼女は口を閉じ


少しの沈黙のあと彼女は



「付き合ってほしいんだ…」
と、照れながら言った

僕はすごぃビックリした
人生、初めて告白されたからだ

僕は彼女を‘いいな’と思っていて、実は好きだったから

ドキドキしながらも

「うん。お願いします」
と言った

電話を切った後もドキドキは消えなかった
ちょっした興奮さえ覚えた
家の階段をダッシュでかけ登り、ベッドへダイブした

そのくらい嬉しかった

くるみは初めて付き合った女の子だ

だけど、くるみとは手をつないだり、チューをすることはなかった

恥ずかしくてできなかったのだ

そんな付き合って間もない頃
クラスの友達から遊びの誘いがきた
そこにはくるみもいるという

くるみの顔を浮かべながら
急いで友達ん家へ自転車こいで行った


そして僕は元気よく部屋に入った


が…



僕は自分の目を疑った
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop