学園スパイラル-女医の襲撃-
 その座敷席に数人の男性が会話と料理を楽しんでいるのだが、そのうちの1人に駅前商店街の中に店を構える佐藤さんがいた。

 ベビーグッズを販売している店だ。

「おう、そうか」

 昭人は応えてカウンターに戻っていく。

 父が店の経営を始めてから、夕食のほとんどをカウンターで済ませているためか、匠は自然と客の飲酒上限を覚えてしまった。

 佐藤さんは飲み過ぎると他の客にまで絡んでしまうクセがあり、それによるもめ事をいくつか起こしている。

 そういう時は、必ず匠がいない。

 嫁さんが怖いのか、佐藤さんは9時前には家に戻るのだ。

 それまでに限度を超える佐藤さんは酒が弱い。

 なのに飲むから絡み酒になるという結果なのだが、とにかく今日はちゃんと家に戻れそうだ。

 ジュースを飲み干した匠は、自室がある階段を上っていった。

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