学園スパイラル-女医の襲撃-
「なんでしょう」

「君の学校に岩が置かれてたと思うんだけど……どうなったの?」

「よく知っていますね。美術部が彫刻に使うそうです」

「! そうなんだ」

「あなたにそのような情報が流れているとは驚きです」

「え、いやっあのその、たまたま聞いたんだ」

 しどろもどろに答える鈴木君に顔を近づける。

「誰がそれを話していました?」

 無表情に尋ねてくる端正な顔に思わず息を呑んだ。

「う、えと……その」

「正直に話していただけませんか」

 にこりと微笑まれ鈴木君はつい頬を赤らめてしまった。

「ここでは話しづらいでしょうか。移動しましょう」

 そう促され、鈴木君は素直にその背中を追った。

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