A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 と同時に悠は、防御壁を人間の真上に、出来る限り大きな範囲で作った。
 諒はもう、声がした方に向かって跳躍している。
 ゴオッ、と風の唸る音が聞こえ、衝撃波が空を掠めた。
 声の主であるアヤカシは、いつの間にか人混みの中に姿を消している。
 だが悠と諒にとっては、そんなことは関係なかった。
 これだけ殺気を剥き出しにしているのだ、相手の位置など、手に取るように分かる。
 相手の位置は分かっているのに、人間に危害を加えないように配慮すると、こちらから思うように攻撃出来ないのがもどかしい。
 しかも相手は、人間にはお構いなしに攻撃してくる。
 そんな人間の守りも固めなくてはならない。
 美樹の事を考えると、一刻も早くこのアヤカシを倒さねばならないのに、これでは戦闘が長引くだけではなく、油断すればこっちの身も危ない。
 とにかく、この人間達だけでも何とかしなくては。
 悠は、意識を少し解放する。
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