A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 この人だかりの中には、本当に能力を持っている人間もいた。
 ざっと数えて、10人くらいか。
 その他大勢は、その10人を媒体に、ただ操られているだけだ。
 しかも刻々とその数は増え続けている。
 まるでウイルス感染が広がるように。


「まずは、そっちが先か」


 何も言わなくても、諒はやるべきことを理解しているようだった。
 必死でアヤカシを自分の方に引き寄せている。


「時間はかかるけど」


 一番近くにいる、人間。
 悠はその肩を掴むと、その腹に気を込めた拳を打ち込んだ。


「ごめん、荒療治で」


 その場に倒れた人間に、小さく謝る。
 それだけではなく、諒のフォローも忘れない。
 悠は次の人間に向かって、同じように気を送る。
 次々に倒れていく人間たち。
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