A-YA-KA-SHI☆バスター!!
　悠達の存在する『アヤカシの世界』は、精神的な要素が強く、世界の全てが満たされていた。
　ところが『人間の世界』は原始的で雑然とした混沌・・・それが当たり前のように存在する。
　人間は少しの事で笑い、泣き、怒り、そしてほんの少しの事で、死んだりもする。
　アヤカシにとって、それはとても面白い“おもちゃ”みたいな物だった。
　精神的な要素が強いだけに、アヤカシは人間の世界で言う『超常的』な能力を発揮する。
　例えば諒のように屋根の上の高さまで跳躍したり、悠のような怪我を癒す能力があったり。
　そんな力を持ってすれば、人間を惑わせたり、狂わせたりするなんてことは簡単だった。


「だから人間は、俺達にとって面白い“遊び”みたいなもの・・・なんだ・・・」


　歯切れのよくない口調で、悠は言った。
　美樹は黙っている。
　少し俯いて、厳しい表情を浮かべていた。
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